壁紙商品取扱い上のご注意
選択上のご注意
① 防火性について
建築物の内装仕上げについては、建築基準法による防火上の基準が設けられています。
防火性能は下地基材と防火壁装材料と施工方法の組み合わせによって決まりますのでご注意ください。防火仕上げとする場合は下地にシーラー処理を施すことが必要となります。
② 防カビ商品について
防カビ商品には防カビ加工をしてありますが、壁紙だけでカビは防げません。カビの発生は室内環境に大きく影響されますので室内の換気、湿度調節にご注意ください。施工時に防カビ剤を糊に添加することがより効果的です。
③ 使用環境について
高温、高湿、水漏れの環境や屋外での使用は避けてください。
④ 柄合わせの必要な商品について
柄合わせを必要とする商品は、要尺が無地系の商品よりも多く使用するのでご注意ください。また、見本帳などで「リピート」をご確認ください。
⑤ 見本帳について
見本帳と実際の商品が若干異なる場合がありますのでご了承ください。
見本帳で商品がわかりづらい場合は別途A4サンプルなどでのご確認をお願い致します。
価格、仕様は、見本帳発行時のものです。原材料や経済情勢の変動、品質改善により、やむをえず価格、仕様を変更させていただく場合があります。
⑥ 機能性壁紙について
お客さまの多様なニーズにお応えする機能性壁紙をご利用の際は、それぞれの特徴や注意点をご理解の上、ご使用ください。
⑦ エンボス加工の柄の繰り返しについて
エンボス加工品は見る角度や光の当たり方によって、一定の柄の繰り返しが目立つ場合があります。これは製造上やむを得ないものであり防ぐことができません。あらかじめご了承ください。
商品確認から施工まで、以下の注意事項にご留意ください。
施工上のご注意
① 商品ラベルの確認
施工を開始する前に必ずラベルに記載されている品番、ロット、数量をご確認ください。
② 施工注意の確認
環境問題やお客さまのニーズの多様化により壁紙の品種が増えています。特に新しい品質の施工に際しては商品の特性・施工上の注意をよく理解された上で施工をお願い致します。ビニール壁紙以外の素材につきましては、養生、折りたたみ方、ジョイントテープ使用、なで方、ローラー掛けなどご注意ください。
③ ロット違い商品について
ロット違いの商品には、若干色などに差が生じることもありますので、同一ロット品をご使用ください。できれば一巻の至近の箇所同士を貼り合わせてください。
④ 下地は乾燥させてから
コンクリートやモルタルなどの湿式下地、およびシーラー、パテを施した箇所は十分に乾燥してから施工を開始してください。乾燥が不十分な場合、壁紙の変色・剥がれ・カビが発生することがあります。 ペンキ下地、モルタル下地に対しては、それぞれ専用のシーラーで下地処理をしてください。シーラーは接着不良や変色を防ぎます。
⑤ 下地の平滑仕上げ
下地は施工後の不陸を防ぐために、平滑に仕上げてください。またネジ・クギ類は施工後の変色を避けるため、突起を完全に沈めサビ止めをしてください。特に不燃認定壁紙など、一部の材質が比較的薄い商品は、より平滑な仕上げをしてください。下地調整に当たっては下地と同色のパテを使用してください。文字や汚れなども処理してください。
⑥ オイルステンなどの下地は避ける
オイルステン、ニスなどを使用してある下地は避けてください。変色の原因となります。また近接した場所に貼った場合も、同様の恐れがあります。
⑦ 木質系下地の注意点
木質系下地に直接施工すると、時間がたつとシミや変色の原因となることがありますのでシーラー処理など下地処理を十分にしてください。
⑧ 安全基準をクリアした糊を使用する
施工糊の準備に際しては、壁紙施工用および建具用でん粉系接着剤のJIS A 6922のホルムアルデヒド規制値を満たした糊をお使いいただき、糊メーカーの注意事項をお守りください。抗菌・汚れ防止壁紙の施工や、下地の種類と状況に合わせて、エチレン酢ビ系の接着剤を所定量添加してください。
⑨ 糊付け後の注意点
糊付け後、壁紙をきつく折りたたんだり、湾曲部分に荷重がかかるようなことはしないでください。折れジワの発生する恐れがあります。
⑩ オープンタイムについて
膨れの発生を防ぎ、また、施工を容易にするため、壁紙の品種や室内環境に応じて、オープンタイムを取ってください。
⑪ 有効巾について
壁紙は必ず有効巾でご使用ください。重ねしろは有効巾に含みません。有効巾を超えた使用は、色違いの原因となります。
⑫ ジョイントマーク・天地マークについて
ジョイントマークは、壁紙の両端に入っています。
天地マークは壁紙の片端または裏面に入っています。
⑬ 柄合わせについて
ジョイントマークに合わせて施工してください。柄合わせの必要な商品は見本帳に「リピート」表示しています。ステップ柄合わせの必要な商品は「ステップ柄合わせ」と表示しています。印刷柄に関係なく壁紙表面のエンボス形状(凹凸)によって、柄合わせの必要な商品は「エンボスリピート」と表示しています。エンボス形状のリピートを合わせて施工してください。
製法上やむを得ず、プリントとエンボスが同調しない場合があります。現場の状況に合わせて柄合わせを行ってください。無地貼り可の表示品についても、現場の状況によってリピートで柄合わせの必要な場合もあります。確認の上施工してください。
⑭ ステップ柄合わせについて
柄は、一つの絵柄を何回か繰り返しつなぎ合わせて一つの柄を構成しています。つなぐ際に、天地方向に半分ずらしてつなぐことをステップといいます。壁紙の右と左でジョイントマークがタテリピートの半分ずれている場合はステップ柄合わせでジョイント仕上げを行います。
⑮ ジョイント位置について
ジョイント位置は、端部同士で施工してください。両端部と中央部では色差の生じることがあります。貼り残しや部分補修に残材を使う場合は、色違いが起こりやすいので、天地・左右を十分に確かめてから施工してください。
⑯ ローラー掛けなどの注意
ローラー掛けはあまり強く押しつけたり、片側だけに力をかけ過ぎないでください。クセが残ったりキズや光沢の原因となります。なで付けエア抜きは、力を込めず丁寧に行ってください。縦方向へのなで付けをおすすめします。力を入れて横なですると乾燥後に目地スキが発生することがあります。
⑰ 施工糊の拭き取りについて
表面に付着した施工糊は変色、汚れの原因になります。きれいなタオルなどを使用し、丁寧に拭き取ってください。
⑱ 表面のツヤやキズに注意
濃色商品や一部の比較的ツヤ消し具合の強い商品は、施工糊の拭き残しや拭き取りなどによるツヤ差やキズが目立ちやすいです。商品をご確認の上、表面の取り扱いに注意して施工をしてください。
⑲ 三幅くらい施工してから使用
商品検査には十分注意しておりますが、三幅ぐらい施工後、問題のないことを確認した上で作業を進行してください。
商品に欠陥が見られた場合は、施工を中断し、弊社までご連絡をお願いします。
三幅以降の施工代賠償につきましては、原則としてお受けいたしかねますことをご了承願います。
荷扱い・保管上のご注意
① 商品受領時のお願い
受領時にはご注文品と違う品番や規格外の商品が納入されていないか、納品書と商品現品を確認してください。万一違う商品が納入された場合は購入先へご連絡ください。
② 無理な運搬はしない
ロール状に巻かれた壁紙は重量物となるため、人力で取り扱う際は安全確保を十分にしてください。腰痛などの原因となる無理な運搬はしないようにご注意ください。
③ 高所から落とさない
破損やケガなど、危険ですのでトラックの荷台などの高所から商品を落とさないでください。
④ 保管上の注意点
商品の保管は、タテ積みでお願いします。ヨコ積みと井桁積みはしないでください。商品によっては置き跡が残る恐れがあります。保管場所は、火気・水・湿気・直射日光を避けてください。また商品を地面へ直において保管しないでください。
廃棄上のご注意
① 残材を焼却しないこと
ビニール壁紙の残材や見本帳を焼却しないでください。燃やすと塩化水素ガスなどが発生し、目・粘膜などを刺激しますのでご注意ください。② 壁紙・見本帳の廃棄処理について
施工後のビニール壁紙の残材や、見本帳を産業廃棄物として処理する場合には、許可を受けた産業廃棄物業者に処分を委託してください。一般廃棄物(家庭ゴミ)として少量の残材を処理する場合には、市町村条例に基づいて処分してください。不要となった見本帳につきましても、しかるべき資格を有する産業廃棄物処理業者に直接廃棄を委託していただきますようお願い申し上げます。 壁紙のメンテナンス工事完了後、以下の点について、入居者の方へご説明ください。
維持・管理上のご注意
① 入居後の換気
施工時の臭いが残っている場合がありますので、入居後の一週間程度は十分に換気を行ってください。② 直射日光などからの保護
直射日光や熱風が長時間当たる場所では変退色する恐れがあります。カーテンやブラインドなどでの日除けを心がけてください。また、ストーブなどの暖房器具の熱風が、直接壁紙に当たらないようにしてください。剥がれや目地スキの原因となります。
③ 粘着テープを貼らない
壁紙に粘着テープ(セロハンテープ・ガムテープなど)を付着させないでください。変退色や、汚れ、破損を招く原因となります。
④ 汚れが付着したら
汚れやホコリが付着した際は、布にきれいな水を含ませ、軽く拭き取ってください(中性洗剤を使用するとより効果的です)。シンナー・ベンジンなどの有機溶剤は、変退色する恐れがありますので使用しないでください。
⑤ 湿気は避ける
カビ発生の原因となる、結露の発生・湿気を防ぐため、室内の換気や湿度調整を心がけてください。
⑥ 剥がれが生じたら
施工後、経時変化により、部分的に剥がれが生じる場合があります。その際は文具用糊や木工用などの水性接着剤を壁紙裏面に塗りつけ、十分に圧着し補修してください。
⑦ タバコの煙などについて
壁紙はタバコの煙やキッチンの油煙などで短期間で黄変しますので、できるだけ室内の換気を心がけてください。
⑧ 油汚れに注意する
油や樹脂成分の汚れは、頑固な汚れとなり取り除くことができなくなります。付着させない配慮が必要です。
⑨ 薬品や化粧品類を付着させない
スプレー式の薬品(殺虫剤、塗料、化粧品など)を壁紙に付着させないでください。また、キズ薬などの医薬品や口紅などを付着させないでください。種類により、付着した色が落ちなくなったり、壁紙が変色したりすることがあります。
誤った取扱いをした場合、人が負傷する可能性または家屋・財産などの損害が想定されます。
誤った取扱いをした場合、人が死亡または重傷を負う可能性が想定されます。